独立前の開業準備

個人事業と法人のメリット・デメリット

個人事業のメリット・デメリット

(メリット)

  • 開業や事業運営の手間がかからない
  • 開業費用がかからない
  • 法人に比べ、会計処理が簡単
  • 事業所得が600万円~700万円以下であれば、法人よりも節税メリットがある

(デメリット)

  • 社会的信用度が低いので、取引や従業員の採用が難しくなる
  • 金融機関からの融資が受けにくい
  • 無限責任のため、万一事業に失敗した場合は、個人事業主の財産を売却してでも債務を返済しなければならない
  • 厚生年金ではないため、法人よりも年金額が少なくなる
  • 事業所得が600万円~700万円以上であれば、個人事業のほうが税金が高くなる
  • 赤字の繰り越しは、3年までしかできない (法人は7年)

法人のメリット・デメリット

(メリット)

  • 社会的に信用が高い。
  • 株式会社や合同会社では、有限責任のため、万一事業に失敗した場合も、法人の財産しか返済の対象にならない(社長が個人保証をしていた場合は別)
  • 金融機関などからの資金調達や融資が有利
  • 経営者やその家族も社会保険に加入できる
  • 適正な額であれば、役員や従業員に対して退職金が認められている
  • 経費の認められる範囲が個人事業より広い
  • 年間所得が600~700万円以上になれば、個人事業よりも節税メリットがある
  • 赤字の繰り越しが最大7年のため、個人事業よりも節税メリットがある
  • 決算期を自由に選択できる。

(デメリット)

  • 法人設立にあたり、定款作成や登記など、手間と費用がかかる
  • 業績に関係なく、法人住民税の納税義務がある(年間で最低約7万円)
  • 医療保険、年金保険、労災保険、雇用保険など、各種社会保険の加入が必要となる
  • 法人を運営するための事務処理が増える
  • 会計処理が煩雑で、厳密性が要求される (会計・税理士事務所などの専門家への依頼が必要になるケースがほとんど)
  • 事業所得が600万円~700万円以下であれば、法人のほうが税金が高くなる
  • 事業を廃止するときにも手間と費用がかかる。 

個人事業と法人のメリット・デメリット まとめ

個人事業と法人のメリット・デメリットを税金面だけで判断すると、以下のようになります。

個人にかかる所得税は、課税所得が300万円であれば10%の税率が、1000万円では33%というように所得の金額に応じて高い税金を支払うことになります。一方、法人は法人税(二段階式)であり、課税所得が800万円以上であれば、税率は30%になります(以降ずっと30%のまま)。

そのため、所得が一定以上の金額になれば、個人事業から法人化(法人成り)したほうが節税メリットがあります。逆に、所得が少ない場合は、法人よりも個人事業の方が税金メリットがあります。

一般的には年間所得が600万円~700万円以上であれば、法人にした方が税金上のメリットがあるといわれています。

個人事業か法人にするかは、総合的に判断することが大切です

確かに所得が低い時には法人より個人事業の方が税金上のメリットがあります。しかし、事業は税金だけでなく、取引先との関係や、資金調達、社員の採用など、さまざまな要素があります。

そのため、事業形態を選択する場合には、税金面だけで判断するのではなく、個人事業と法人のメリット・デメリットをしっかり踏まえた上で、自分のニーズや事業の方向性に合った事業形態を選択することが最も重要です。

私がおすすめするのは、個人を相手にしたビジネスであれば、独立開業当初は個人事業でスタートして、事業(売上)の見込みが立つようになってから、法人化(法人成り)する方法をおすすめします。なぜなら、法人設立はいつでもでき、この方法が最もリスクとコストがかからないからです。

ただし、これまでの経験を生かしたビジネスで、すでに法人との取引の目処が立っている場合や、取引先が大手企業などの法人が中心となる場合、複数人で起業する場合などであれば、独立開業当初から法人でスタートしてもいいのではないかと思います。

 

 

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